ネズミに限らずどんな生き物でも、人間には考えられない五感というものを持っています。例えば、犬であれ嗅覚が優れています。犯罪捜査などには、警察犬がよく利用されますよね。
ここでは、ネズミの五感について詳しくご紹介してみたいと思います。
ネズミの視覚
夜行性だが視力は悪く・色も識別できない
ネズミは夜行性の生き物なので、夜人間が寝静まった頃に出てきて食べ物をあさるといった習性があります。従って、昼間は静かでも夜になると天井裏をゴトゴトと走り回ったり、ガリガリと木をかじったりする音がよく聞こえてきます。
また夜行性であれば、暗い所でも見えるような鋭い視覚を持っているのかと思いますが、意外にも視覚は特に優れているわけではありません。むしろ視覚は悪く、色の識別能力も低いです。動くものに対しては、非常に敏感に反応します。
人間よりも劣る視力
ネズミの視力については、人間の目のように焦点を定めて物を見ることすらできないといわれています。つまり、ちょうど近眼の人がメガネをかけないで物を見ているような状態だといえます。
そのため、物の色や形・輪郭などをしっかりと目で捉えることができずに、ぼんやりとした陰影や動きを見分ける程度だと考えることもできます。
ネズミの触覚
ヒゲの重要な役目
ネズミは視覚自体は劣っているのですが、その分触覚が優れています。
例えばネズミのヒゲは、周囲の振動や障害物を敏感に察知して、すばやくその場から避難して身を守ることができるようになっています。
ネズミを捕獲するための粘着シートも、ヒゲで素早く感知して退避できるようになっています。
体毛の重要な役目
ネズミの体毛もヒゲと同様に周囲の状況をすばやく感知する役目を果たしています。
周囲の振動や障害物を体毛で感知してすばやくその場から退避したり、逆にエサを上手にキャッチすることができる役目を担っているといえます。
ネズミの聴覚
超音波を聞き取る
ネズミは動物の中では一番聴覚が優れており、超音波といわれている2万Hz(ヘルツ)以上の周波数も聞き取れるといわれています。そうしたネズミの優れた聴覚を利用したものが超音波ネズミ撃退器です。
要するに、ネズミにとってはうるさい超音波を聞かせることで、その場からネズミを追い払うというアイテムです。
ネズミ同士の会話は超音波で行う
ネズミは人間には聞こえないような超音波が聞き取れることができることから、ネズミ同士の会話は超音波でなされているといわれています。
また、危険を予測して退避したり昆虫などのエサを捕獲する際にも、そのような優れた聴覚を利用しているといいます。ただし、低周波音は聞き取ることができないといわれています。
ネズミの味覚
ネズミの味覚や嗅覚を利用した防鼠剤
ネズミは何でもかじるという習性があります。従って、そうした習性でネズミがかじったら嫌がるという防鼠剤もいろいろと市販されています。
これらは、ネズミの味覚や嗅覚を利用した防鼠剤になるのですが、嫌がってその場に近寄らせないといった効果が期待できます。
優れた味覚
ネズミは自分の体重の3分の1に相当する食べ物を1日に食べるといわれています。従って、身体が小さい割にはかなりの大食漢なのです。
しかしながら、その一方では味覚も優れており、毒の入ったエサが仕掛けてあれば、そのエサは食べないといった習性もあります
ネズミの嗅覚
地雷撤去にネズミの嗅覚を利用する
ネズミの嗅覚は、犬と同等かそれ以上の能力があるります。
地雷に仕込まれている火薬のわずかな臭いを適格にとらえて地雷を発見することも可能といわれているくらいです。
そんなネズミの嗅覚を利用した訓練や実験も海外では行われています。
嗅覚受容体が1000種類
ネズミには、嗅覚細胞の細胞膜上にある嗅覚受容体が、確認されているだけでも1000種類もあるといわれています。
ちなみに人間の場合には、350種類といわれています。そうしたことからも、少なくとも人間の3倍近くの嗅覚能力がネズミには備わっているということが分かります。
まとめ
こうしてネズミの五感についてご紹介いたしましたが、人間の五感の数倍の能力があることが分かります。
法律の下に命の保証がなされている人間の世界とは違って、弱肉強食の厳しい自然界で生きてくためにも、ネズミの五感というのはきっと必要な能力なのでしょう。
ネズミの生態と行動については、こちらの記事でさらに詳しく説明しています。
五感の優れているネズミが家に出たらやっかいです!その時の対処法はこちらへどうぞ。